いきなりですが…
日本の家屋25戸につき1戸が、実際にシロアリ被害に遭っているって、ご存じでしたか?
衝撃ですよね‼︎
実は日本は「シロアリ」の多い国で、全国で発生しているシロアリ被害件数は年間で200万件を超えるという調査結果もあるそうです。
「シロアリ嫌だな〜」と思いつつも、実際の被害がでるまではなんとなく実感の湧かないシロアリ対策。
そこで今回は、シロアリ対策について、みなさんと一緒に勉強してみたいと思います。
知ってびっくり!シロアリの正体
そもそもシロアリってどんな「蟻」なんでしょうか?
なんと、調べてみるたらシロアリとは、昆虫綱ゴキブリ目シロアリ科、あるいはシロアリ目の昆虫の呼び名だったのです!
つまり、私たちが庭や道で見かける「アリンコ」とは食性も生態も違っていて、どちらかというとゴキブリの仲間ってことがわかりました(汗)。
シロアリは女王と王のペアを中心とした社会性昆虫で、卵から幼虫を経てほとんどが働きアリとなりますが、一部は頭部が発達した兵アリに成長するそうです。
コロニー(巣)が大きくなる→ニンフという階級のアリが誕生する→羽アリとなって一斉に飛び立つ→飛び立った羽アリが着地して羽を落とす→雄と雌が新たにカップルを作る→新しいコロニーが生まれる。この無限スパイラルで繁殖しているということになります。
そして、このシロアリの大好物が、私たちの家にも欠かせない「木材」なのです。
悪者ばかりじゃない、シロアリの種類
日本に生息しているシロアリは22種類存在しますが、大半のシロアリは土壌改良に重要な役割を果たしている益虫(何らかの形で人間の生活に役に立つ昆虫など)です。
家屋に被害を及ぼすシロアリは5種類ですが、大きくは次の3種類です。
住宅に被害を及ぼす困ったシロアリ
ヤマトシロアリ
山林の朽ち木、庭や家の土台などの湿って腐りかけた木材を食べます。
湿気の多い箇所に生息しますが、それほど食欲が旺盛ではなく、家が倒壊するほどの被害には及ばないことがほとんどです。
イエシロアリ
床下や屋根裏、土の中などいたるところに巣を作って、湿った木材以外だけでなく乾いた木材まで、家中を食べつくします。
イエシロアリは、巣を拠点に長い地下道を作って地下から侵入するため、家に付いたシロアリだけではなく、巣を探して巣ごと駆除することも必要になってきます。
アメリカカンザイシロアリ
木材や家具の輸入によってアメリカから渡来したシロアリです。
家の柱や梁の木材だけでなく、家具や建具などの乾材を食べつくし、建物全体に被害を与えます。
温度変化や環境湿度の影響を受けにくく、色々な場所に巣をいくつも作るため、ひとつの巣を駆除してもすまない場合があります。
住宅でよくあるシロアリ被害とは
2013年に国土交通省の補助事業として行われた『シロアリ被害実態調査報告書』によると、日本の住まいの5軒に1軒は、床下にシロアリが潜んでいると報告されています。
シロアリ被害で最も恐いのは、木材が食べられて脆くなる、あるいは崩れてしまうこと。被害箇所によっては、住宅の構造そのものに関わる問題にもなりかねません。
シロアリ被害が、震災時の家屋倒壊を引き起こすこともあります。
床下の木材への被害
比較的多いのが床下の木材の被害です。
一般的に床下は木材が露出しているため、被害を発見しやすいとも言えますが、頻繁に目にする場所では無いため、土台や側注などに被害が進行して、深刻な状態になるケースがあります。
畳や畳下床板の被害
畳被害も床下からシロアリに侵入されることがほとんどです。
被害が酷くなると、畳全体がフカフカしたり、歩くと沈んだり、次第に畳表面にまで被害が及びます。
玄関ドア枠の被害
玄関ドアの周辺も、シロアリ被害の発生しやすい箇所です。
玄関が南側の暖かい方位にある、直接柱などの木材が地面と接している、玄関のコンクリート下(地面)にシロアリが集まりやすい空洞ができやすい、などの理由が挙げられます。
新築の時点でシロアリ対策が必要な理由
一般的には築年数に比例するかたちでシロアリ被害も増えて行くと言われていますが、新築でも被害が発生する場合もあります。
築20年で被害に遭わない木造住宅もあれば、築3年でも被害に遭うケースもあり、新築だから安心というわけではありません。
また、被害が起こってからのシロアリ駆除は、原因を探したり、薬剤を散布したりと、時間も費用もかかるばかりか、薬剤の使用によるリスクも伴います。
つまり、新築だからこそシロアリ被害にあわないように予防対策を施して、必要な時期に点検を行うことが、最も有効なシロアリ対策だと言えます。
また昔の住宅のように、床下から柱や梁が見える住宅の場合は、後からでもシロアリ対策を行うことができますが、近年の住宅では、床下の柱や梁を見ることが難しい場合もあります。
柱や梁が見える新築時にシロアリ対策を行うメリットは、ここにもあります。
知っておきたいシロアリ対策のポイント
では、シロアリ対策としてはどんなものがあるのでしょうか?
防蟻処理
防蟻処理には、大きく2通りがあります。
シロアリが侵入する地中の経路、通過する恐れのある土壌に防除剤を散布する土壌処理。
木材に薬剤を吹き付け・塗布・注入などの処理を施す木材処理です。
メンテナンスし易い構造にする
100%シロアリの侵入を防ぐことは不可能なので、シロアリが発生しても発見・対処がしやすい家の構造にしておく必要があります。
構造体の樹種を選ぶ
チーク、ヒノキ、ヒバなどが、シロアリ被害に遭いにくい樹種と言われています。
柱や1階部分など地面に近いところに、これらの木材を採用することによって、シロアリ被害にあうリスクを減らすことができます。
通気性を良くする
シロアリ対策のみに関わらず、建物を長く良い状態で保つためには木材を十分に乾燥させておくこと、通気性を確保することが必要です。
床下、壁の中の通気性は、シロアリ対策として押さえておきたい点です。
木材の専門家である丸清では、シロアリに強い木材の採用、木材の乾燥や通気性の確保、またシロアリ対策として防蟻処理を標準仕様で採用していますので、ご安心ください。
いつまで続く?防蟻処理の効果と安全性
シロアリ対策の中でも、より積極的な対策である防蟻処理。
では、その効果はどのくらい続くのでしょうか?
木材に施す防蟻剤について調べてみました。
一般的な農薬系防蟻剤
防蟻処理には、一般的にネオニコチノイドという農薬系の薬剤が使われています。
農薬などに使われている比較的新しい薬剤で、昆虫類のみに作用するため、人体への影響が少なく安全であると言われていますが、環境破壊につながる恐れもあるため、海外では農薬系の防蟻剤を禁止しているところもあります。
農薬系の防蟻剤の多くは、約5年に一度塗布しないとその効果は薄れます。
塗り直しのたびに揮発した農薬系の成分を吸い込むこと可能性もあります。
ホウ酸の防蟻剤
ホウ酸は自然界にある物質で、目薬などにも配合されている安全なものです。
人体には影響がないが、蟻のような腎臓を持たない下等生物の場合、死滅させることがわかっています。
無臭で空気を汚さずに、家を害虫から守ることができます。
米国では、農薬系を予防的に木部への使用が禁止されているので、防蟻処理にはホウ酸を用います。
新築時の防蟻処理の保証は一般的には長くても5年ですが、ホウ酸を使った防蟻処理の場合は、効果が長く続き、最長15年のものもあります。
このように、シロアリ用薬剤の中には、体に影響を及ぼす可能性のある薬剤もあります。
その薬剤に含まれている化学物質で、アレルギー反応を起こしてしまうかもしれないのです。
丸清ではシロアリ対策として、安心安全なホウ酸を使った防蟻処理を施工しています。
ここまで、シロアリ被害と対策についてお話ししてきました。
知っているようで知らなかったシロアリの実態。そして、家は常にその危険に晒されているという事実がわかってきました。
「新築なら、新しい木材ならシロアリの心配はない!」と思っていた方も、「木造住宅はシロアリ被害が心配」と感じていた方も、正しいシロアリの生態や対策を知った上で、ハウスメーカーや建築会社に相談することが大切です。
丸清では、木造住宅のシロアリ対策について、お客様にご納得いただけるわかりやすいご説明を心がけています。
どうぞお気軽にご相談ください。
まとめ
- 日本の家屋25戸につき1戸はシロアリ被害に遭う。
- シロアリはゴキブリの仲間で、木材が大好物。
- シロアリ被害によって、耐震性が脅かされる可能性がある。
- 新築でもシロアリ被害は起こる。
- シロアリ対策は、防蟻処理だけでなく総合的に行う必要がある。
- 防蟻処理には、農薬系のものと自然系のものがあり、安全性や持続効果が異なる。
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