自然素材の中で、無垢材に次いでお客様の関心度が高いのが「漆喰」です。
日本では伝統的な壁材として知られる漆喰ですが、雰囲気や質感が良くても後々後悔するのではないか?という心配をお持ちの方もいらっしゃいます。
そこで、安心して漆喰を使った「自然素材の家」を建てていただけるように、漆喰の持つ性能や特徴、メリット・デメリットについて解説します。
ご自分の持っているイメージと比較して、家づくりの参考にしてくださいね。
「漆喰」とは?
漆喰は、水酸化カルシウム(消石灰)を主成分とした塗り壁材です。
水酸化カルシウムとは、石灰石を焼いて水を加えたもので、そのルーツはサンゴ礁です。
長い年月をかけて地殻変動などでサンゴ礁が隆起し、陸地になったものが石灰鉱脈で、そこから石灰石を採掘します。この消石灰に糊やスサを加えて、水で練ったものが漆喰です。
一般的には、漆喰といえば白ですが、顔料を加えて色を出したり、左官で表情を演出したりできるので、デザイン面でも自由度の高い壁材です。
似た自然素材に「珪藻土」がありますが、漆喰とは原料が異なります。
珪藻土は、珪藻の殻の化石を原料にして作られた素材だということを覚えておきましょう。
漆喰の歴史
西洋では神話の時代から使われていたとされる漆喰。
日本で漆喰が初めて発見されたのは、縄文時代後期(約4,000年前)です。
建材として広まったのは武家屋敷や城の壁に使われたのがきっかけで、古くから建築材に適した素材として使われ続けていることがわかります。
漆喰は燃えないことや、丈夫な事から、お城を守る壁としてもその特性を発揮しました。
家づくりに漆喰を使うメリット
古くから建材として活躍してきた漆喰には、優れた6つの特徴があります。
- 調湿・消臭・遮音効果
- 高い耐久性と防汚性
- 自然由来の安全な素材
- 優れた抗菌性
- 火に強く燃えにくい
- 独特の風合がある
調湿・消臭・遮音効果
漆喰は多孔質と言って、顕微鏡などで見ると多数の細かい孔(アナ)が空いています。
この孔がジメジメした夏には湿気を吸って、乾燥した冬には水分を放出して、自然に湿度を整えてくれるので、四季で気候の変わる日本の風土はぴったりです。
同じように、この「孔」がニオイの元となる成分を分解するので、消臭作用もあります。
また、多孔質に加えて、左官で塗る漆喰は密度も高くなるので、遮音・吸音性にも優れています。
高い耐久性と防汚性
漆喰仕上げの外壁の耐用年数は、適切なメンテナンスを行えば100年を超えると言われています。
漆喰には、その主成分である水酸化カルシウムが二酸化炭素を吸収することで、時間をかけて硬化するという性質があります。
歴史的建造物の中には、江戸時代に施工されて今も残っているものがあることから、その耐久性の高さが証明されています。
また、漆喰には静電気をため込まない特性があるので、埃やゴミなどが付着しにくく、汚れに強い壁材でもあります。
もし、長い間に汚れた場合でも、上から塗り直すことができます。
自然由来の安全性
天然の素材から作られる漆喰は、シックハウス症候群の原因となる有害な物質を含まない、安全な建築材です。
特に抵抗力の弱い小さなお子さんや高齢者、ペットのいるご家庭では、より安心してお使いいただけます。
優れた抗菌性
漆喰は強アルカリ性という性質を持っています。
強アルカリは殺菌剤としても使われる成分なので、漆喰壁は細菌やカビ、ダニが繁殖しにくいのです。強い成分を持っていても、しっかり乾燥させて硬化した漆喰壁は、人間が触っても全く問題はありませんのでご安心ください。
火に強く燃えにくい
高い防火性を持つ漆喰は、建築基準法第2条第9号において不燃材料に認定されている、防災効果を持つ壁材です。
もしも火災が起ったとしても、化学建材のようにダイオキシンなどの有害なガスを放出することもありません。
独特の風合いがある
機能や性能だけでなく、見た目の美しさも魅力のひとつです。
温かみのある風合いや、柔らかい色調が特徴で、洋風、和風、モダンなど、様々なデザインと調和します。
また、左官技術によって個性的にも仕上がり、ライティングなどで独特の表情が演出できます。
手触りも優しく、自然素材ならではの心地良さを感じられます。
漆喰のデメリット
知れば知るほど魅力のある漆喰ですが、全てにおいて完璧な素材というわけではありません。
漆喰の家を建てる前に、注意しておくべき事を知っておきましょう。
- コストと工期がかかる
- 施工会社によって仕上がりにムラが出る
- ひび割れの可能性がある
- イメージチェンジがしにくい
- 汚れのふき取りができない
コストと工期がかかる
一般住宅で使われるようなビニールクロスと比較すれば、高い費用がかかります。
また、貼るだけではなく、養生後に下塗り、仕上げ塗りや乾燥の時間も必要なので、その分、十分な工期も必要になります。
丸清では、漆喰と珪藻土を標準仕様にしていますので、コスト面でも工期の面でも、お客様にご納得いただけるご提案が可能です。
施工会社によって仕上がりにムラが出る
左官技術を必要とする漆喰の施工には、職人の持つ経験と高い技術が必要です。
技術の差によって、思い通りの出来栄えにならないケースも少なくありません。
依頼する施工会社の漆喰の施工実績を、よく調べ、観察して、見極める必要があります。
丸清では、自社の厳しい基準をクリアした、経験豊富な左官職人がお客様の家を施工しますので、ご安心ください。
ひび割れの可能性がある
時間の経過で固くなっていく漆喰には、経年によってひび割れが発生する可能性があります。
施工環境や下地の影響によるひび割れ、地震などによるひび割れなど、原因は様々です。
丸清では、漆喰を知り尽くした職人が、細心の注意を払って施工していますので、ご安心ください。
また、万一ひび割れが発生した場合でも、すぐに補修が可能です。
イメージチェンジがしにくい
これは、塗り壁全般の特徴ですが、ビニールクロスのように飽きたから違う柄に貼り替えるということは出来ません。
また、漆喰の壁には凹凸がありますので、上から壁紙を貼ることもできません。
もともと飽きの来ない素材ではありますが、色や塗り方など、長く付き合うこと前提に考える必要があります。
汚れのふき取りができない
汚れにくいのが特徴の漆喰でも、万一濃い色の液体などが付くと、自然素材のため汚れが浸透して簡単に拭き取れない場合があります。
小さなシミなら、やすりやカッターナイフなどで削れば簡単にメンテナンスは可能ですが、深刻な汚れは専門家の補修が必要です。
丸清では、こういった場合のご相談に、いつでも対応いたしますので、ご自身で補修業者を探す必要はありません。
「漆喰の家」で後悔しないために
少し長くなりましたが、漆喰のメリット・デメリットを見てきました。
一般的には、費用面での負担が大きく、施工会社によって仕上がりも違う上に、壁紙のように後から見た目を変えにくいというのは、後悔を招く大きな要因なのかもしれません。
まずは、漆喰の家を建てる前に、施工を依頼する会社とよく話し合い、漆喰の特徴を納得のいくまで聞き、その会社の建てた「漆喰の家」の施工実績をしっかり確認することが、後悔しないための第一歩です。
その上で、漆喰の性能や風合いに魅力を感じ、長く大切に付き合っていきたいと思えるかどうかが、大きなポイントになります。
流行やオシャレさ、本などで見たイメージだけで判断せずに、じっくりと考えてみましょう。
家づくりそのものに言えることですが、こだわりや知識を得て、自分の住まいに愛着を持って暮らしていける方は、漆喰の家、自然素材の家に後悔することはないと思います。
まとめ
■ 漆喰は水酸化カルシウムが主成分で、西洋でも日本でも太古から存在していた
■ 防火性や耐久性に優れ、建築材としても古くから現代まで使われ続けている
■ 優れた壁材であると同時に、施工には高い技術が必要
■ 漆喰の魅力を理解して、長く大切に付き合いたい人に最適な自然素材
ここまでお読みいただいて、漆喰を少し身近に感じていただけましたでしょうか?
日本での漆喰は、お城や日本家屋のイメージですが、実は漆喰はワールドワイドな建材でした。
外壁にも内壁にも使える自然の壁材で、丸清では外壁にスイス漆喰、内壁にはヨーロッパ漆喰をご用意しています。
ご覧いただける施工事例もご用意していますので、是非お気軽にご相談くださいね。
ほかにも漆喰の魅力について、こちらの記事でもご紹介しています。
丸清が使っている木材や壁材。工法全体についてお知りになりたい方は
「素材と工法ページ」をご覧ください。
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