2024.02.26

耐震等級3って必要なの?後悔しないための注意点を徹底解説!

東京・東村山を拠点に、無垢材にこだわった高機能住宅を手がけている工務店「丸清(まるせい)」です。
令和6年1月1日に発生した令和6年能登半島地震。
たくさんの建物が倒壊している様子をニュースや新聞で目にした方も多いのではないでしょうか。
この地震をきっかけに「家づくりで耐震性が不安」「耐震ってどうなっているの?」というお問い合わせを数多くいただいております。

そこで今回は、耐震等級のお話と丸清の家づくりにおける耐震についてご紹介します。

耐震等級とは?

ここでは、耐震等級についての基礎知識を解説します。

耐震等級1〜3の違い

耐震等級のイメージ

耐震等級には1〜3の3つがあります。

まず、耐震等級1はあらゆる建物に求められる最低基準。
震度6〜7の地震でも倒壊・崩壊しない程度の耐震性と考えてください。

耐震等級2は、耐震等級1の1.25倍の耐震性能があります。
学校や病院などは、必ず耐震等級2以上であることが定められています。

そして、耐震等級3は耐震等級の1.5倍の耐震性能があるのが特徴。消防署や警察署と同等レベルで、複数回の大地震に見舞われても修繕すれば住み続けることが可能とされています。

耐震基準との違い

耐震等級とは、地震に対する強さを表したものです。
耐震等級の取得は任意で、認定を受けなくても住宅を建てることはできます。

耐震基準は、建築基準法で定められた「最低限クリアしなければいけないもの」であり、耐震基準に満たないと住宅が建てられません。

この2つは似たような言葉ですが意味がまったく違うので、間違えないよう注意してくださいね。

耐震等級3と耐震等級3相当は大きく異なる

地震の衝撃を受ける家

もし、耐震等級3「相当」となっていた場合、正式に認定を受けていない住宅になります。
正式に認定を受けるためには費用をかけて申請し、国が指定する第三者機関によって審査が行われる必要があります。
その審査がされていないと、耐震等級3と同じような施工内容であっても耐震等級3とは言えません。
安心して住み続けるためにも、耐震等級3の認定を受けるのがおすすめです。

耐震等級3とは何か

ここでは、耐震等級3について詳しく解説します。
家づくりにおいて本当に耐震等級3が必要なのか、一緒に考えてみましょう。

耐震等級3の特徴

耐震等級3は住宅性能表示制度で定められている耐震性の中で最も高く、耐震等級2よりもさらに壁の強度を上げ、床の剛性も高めたもの。
「震度6~7相当の地震による力」のさらに1.5倍の力に対して倒壊・崩壊しないことが基準となっています。

実際に平成28年4月に発生した熊本地震では、耐震等級3の建物は倒壊が0棟だったとされています。
熊本地震は震度7クラスの地震が2回も発生した珍しい地震でした。
それにもかかわらず、耐震等級3の建物は大きな損傷が見られず多くが無被害であったことから、大地震にも複数回耐えられることが証明されたといえるのではないでしょうか。

出典:国土交通省 住宅局「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書のポイント(p5)

耐震等級に影響を与える4つのポイント

耐震等級が認定される際には、次の4つのポイントが重要。
これら4つの要素のバランスによって、耐震等級が認定されます。

建物の重さ

建物の重さは木造や鉄筋などの構造によって変化し、建物が重いほど地震による揺れや衝撃は大きく、軽いほどそうした影響は小さいです。
また、耐震性に大きく影響する要素でもあります。
耐力壁の強度が同じであったとしてもスレート屋根と比較すると瓦屋根の方が重く、耐力壁にかかる負荷が高くなることから耐震性は下がってしまいます。

耐力壁の量

耐力壁とは、地震のような横からかかる圧力に耐えられる壁のこと。
この耐力壁の量が多いほど耐震性が高く、耐震等級も上がります。

2階建ての住宅では1階部分に2階の重量もかかるため、2階に壁量の少ないリビング、1階に壁量が多い個室を配置した方が耐震面では安心ですよ。

耐力壁の配置バランス

耐力壁は数が多ければいいというわけではなく、配置バランスも大切。
バランスが偏ることで、逆に耐震性を下げてしまう可能性があるので注意しなければいけません。
片方に偏るとそちらが強くなり、弱い方に負荷がかかります。
そうなると、地震が発生したときにも倒壊の可能性が高くなってしまいます。

床の剛性

耐震性を上げるためには、床の剛性を高めることもポイントです。
剛性とは、硬さのこと。
壁がどんなにしっかりしていても、床に十分な強度がないと簡単に変形し、壁が倒れてしまいます。
そのため、床もしっかりと補強し強度を高めることが重要です。

耐震等級3を選ぶデメリットは何か

耐震等級3はメリットが大きいように思えますが、デメリットもあります。
どのようなものがあるのか見てみましょう。

建築費用の増加

耐震等級3を選ぶと、ほかの等級に比べて建築費用がかかります。
耐震性能を上げるためにはより強い構造にする必要があるため、耐力壁や耐震金物を増やします。
そうすると、材料費が割高になってしまう可能性が。
また、耐震等級3に認定されるためには耐震等級の取得が必須で、そのための費用が必要です。

設計や施工における手間や時間の増加

設計や施工における手間や時間が増えるのもデメリットです。
耐震等級3をクリアするためには通常の建築と比較しても詳細な設計が必要になります。そのため、設計の段階で通常よりも時間がかかってしまいます。
さらに、耐震等級3の認定を受けるためには第三者機関による調査が必要。
施工時には耐震性を高めるため特別な金物や構造体を付ける必要があり、工程が追加されて時間が長くなりやすいのです。

街並みに合わせた外観の制約

耐震等級3を取得するためには、耐力壁を増やす、柱や梁を太くするなど構造の強化が必須です。
そのため、自由な間取りが選択しづらくなるだけでなく、外観にも制約が生じてしまうことがあります。
特に窓は制限を受けやすく、小さくしたり少なくしたりする必要があるため、希望する外観が叶えられない可能性があります。

性能を最大限に引き出すための適切なメンテナンス

耐震等級3の性能を最大限に活かすためには、適切なメンテナンスが重要です。
メンテナンスが不十分だと耐震性能が低下する可能性があり、地震が発生した場合のリスクも高くなります。
柱や壁の塗装の剥がれ、基礎のひび割れなどがあれば、早めに補修することが大切です。

耐震等級3を選ぶメリットは何か

耐震等級3と聞くと「地震に強そう」と思われるかもしれませんが、それだけではありません。
ここでは、耐震等級3を選ぶメリットを紹介します。

安心感と耐久性の向上

耐震等級3の家に住むことで、安心感と耐久性が向上します。
前述したとおり、耐震等級3は耐震等級の中において最も高い耐震性能を持ちます。
ほかの耐震等級と比較しても耐久性が上がっているため「地震に強い家に住んでいる」という安心感を持って暮らせますよ。

将来の地震に対する備え

耐震等級3の家を選ぶと、将来起きるかもしれない地震に備えられます。
耐震等級1や2の住宅と比較すると、地震によるダメージが小さいのが最大のメリット。
大きな地震が起きた場合、耐震等級3の家であれば損傷が小さく住み、そのまま住める可能性が高くなります。
資産として維持しやすく、災害時に避難生活をおくる可能性を減らせるため、家族の安心につながります。

住宅ローンや保険の優遇措置

耐震等級3の家は住宅ローンや保険の優遇措置が受けられます。
住宅ローンを設定している金融機関の中には、耐震等級3に認定されていることで金利を優遇してくれるところも。
低い金利で住宅ローンが借りられるのは、耐震等級3ならではのメリットです。

また、耐震等級3の認定を受けると、地震保険の料金が50%安くなります。
耐震等級が高い建物は地震に強く、建物の被害が最小限に抑えられると期待されているからです。

地域の災害対策に貢献

耐震等級3の家を選ぶことは、地域の災害対策に貢献することにもなります。
災害による被害を可能なかぎり少なくするためには「自助」が最も重要だと言われています。
これは、一人ひとりが自ら身の安全を守り、自分の無事を確保すること。

耐震等級3の家は大きな地震でも倒壊しづらいことから、建物の下敷きになる可能性が低く、結果的に災害対策に貢献していることになります。
住宅の倒壊によって周囲に被害が及ぶことを防げるというメリットもありますよ。

丸清の家づくりで耐震等級3を検討しよう

ここからは、丸清の耐震等級3の家づくりについて紹介させていただきます。

耐震等級3の安心を更に補強してくれる制震装置

さらに地震への備えをプラスしたいという方には、オプションにはなりますが制震装置を取り付けることもできます。
地震大国である日本では、震度1〜2程度の揺れは少なくないことは皆さんもご存じだと思います。耐震構造3を満たす構造であっても、何度も地震の揺れを受けているうちに耐震性能が落ちてきてしまう懸念があるのは事実です。
制震装置を付けることで耐震機能の劣化を防ぐことはもちろん、地震が発生したときの揺れを緩やかにする効果もあります。

家族の安全を考えた住まいづくり

耐震装置

丸清では、許容応力度計算を一棟ごとにオーダーメイドで行っています。
許容応力度計算とは、建物の強さを計算する構造計算の一つ。

2階建ての木造住宅は一定量以上の耐力壁を計画することで構造計算はしなくても良いとされています。
しかし、丸清ではより安心と安全を求めるため、家ごとに異なる耐震、耐久対策をすべきとの考えから実施しています。
ご家族の安全を考えた家づくりを丸清は大切にしています。

耐震等級3に対応した家づくりの実績

丸清ではこれまで、耐震等級3の住宅を100棟ほど手がけてきました。快適さや住みやすさはもちろん、安全性に配慮した家づくりが丸清の強みです。

また「できれば地震に強い家を建てたいけど、オプションの制震装置は実際にどのくらいの人が付けているの?」と気になっている人もいるかもしれません。
制震装置を希望されている方は、注文住宅新築の場合で3割程度となっています。付けるかどうか迷っている方は、詳しく説明させていただきますのでぜひ一度ご相談くださいね。

このような実績をもとに、丸清はこれからも安心して住める家づくりをお手伝いさせていただきます。

丸清での耐震等級3の相談・見積もり

日本は地震大国と言われるほど地震が多い国です。
さまざまな要因があるため「耐震等級3の家であれば絶対に倒壊しない」とは言い切れません。
しかし、耐震等級3の家を選ぶことは少しでも安心して暮らすための方法の一つ。

「無垢材が使用された家に住みたい」という方はもちろん、「耐震性能の高い家を建てたい」とお考えの方は、ぜひ丸清に見積もりをご依頼ください。
もちろん、ご相談だけでも大歓迎です。