

家づくりで最も気になる自然災害と言えば、やはり「地震」ですよね。。
日本は地震大国と言われていますし、首都直下型地震の可能性も繰り返し報道されています。
家を建てようとするお客さまからは
「最近地震が多いけど、木造住宅は地震に強いですか?」
「鉄骨や鉄筋コンクリートと比較して、木の家の耐震性はどうですか?」
といったご質問も少なくありません。
そこで今回は、木の家=木造住宅の耐震性についてお話ししたいと思います。
「木」は見た目よりダンゼン強い
材料の強さを比較する目安として、強度を比重で割った「比強度」という値があります。
建物の構造に使われる木、鉄、コンクリート、それぞれの建築材料を、引っ張ったり、圧縮したり、曲げたりして比較した実験の結果を見ていきしょう。
一見強そうに見える「鉄」ですが、強い力で引っ張られれば、伸びて切れてしまいます。
一方で木の強度は、鉄の約4倍、コンクリートと比べると、なんと約225倍の強度差があります。
圧縮の比強度では、木は鉄の約2倍、コンクリートの約9倍です。
曲げの比較でも、鉄の約15倍、コンクリートの約400倍と、木が圧倒的に強いことがわかります。
また、木材は軽い材料です。
つまり、強さと軽さをあわせ持った「木」なら、少ない材料で強いものを造ることができます。
地震エネルギーの影響は、建物の重さに比例するので、家の重量が軽いほど耐震性が高いということがわかります。
木材の強さの秘密は「ハニカム構造」
木の断面を電子顕微鏡で見ると、蜂の巣のようになっています。これは、中空細胞が集まってできた「ハニカム構造」です。ダンボールや飛行機の翼も、断面を見ると軽くて強いハニカム構造になっています。
さらに、木を切り出して乾燥させる過程で、だんだんと耐久性が高まっていくのも、建築材としての「木」の特徴。
木材は、軽くて強く、柔軟性のある自然素材なのです。
正しく知りたい耐震等級
「比強度」によって、木材が鉄やコンクリートと比べて、「強くてしなやか」だとわかりました。
次に、地震に対する建物の強度を示す指標のひとつと「耐震等級」を見ていきましょう。
耐震等級とは、住宅を強さ・強度によって等級に分類した性能表示で、「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」に沿って定められているものです。
現在、耐震等級には3つの等級が設けられています。
耐震等級1
建築基準法で定められた、建物に備わっているべき最低限の耐震性能を満たしていることを示します。
数百年に1度起こる地震に対して、倒壊や崩壊の危険がないように構造計算されていて、数十年に1度起こる地震に対しても建物の損傷がない程度の耐震性を備えている住宅のことを指します。
耐震等級2
耐震等級1の1.25倍の耐震強度がある、ということを示します。
「長期優良住宅」は、この耐震等級2以上の強度を持っていることが求められます。
耐震等級3
耐震等級1の1.5倍の耐震強度がある、ということを示します。
住宅性能表示制度で定められた耐震等級の中で、最も高いレベルです。
耐震等級1は一般的な戸建て住宅、耐震等級2は病院や学校などと同等の強度を持つ住宅、耐震等級3は消防署や警察署などと同等の強度をもつ住宅と聞くと、イメージしやすいかも知れません。
丸清の「木の家」は、耐震等級3に対応しています。
地震の「揺れ」に対する構造の考え方
耐震等級には、法律で細かな基準が定められていますが、地震の揺れから見た「耐震」「制震」「免震」
という構造の考え方があります。
簡単にご説明しますね。
耐震構造
建物自体を頑丈にして揺れに耐える、という構造の考え方です。
これは、地震発生時に、人が避難できるように建物が倒壊しないことが目的で、揺れを軽減する仕組みはありません。
繰り返しの地震によりダメージが蓄積されて、大きな損傷につながることがあります。
制震構造
ダンパーなどの制震装置や部材を要所に設けることで、地震の揺れを吸収し、軽減する構造です。
建物を固めるというよりは、建物に粘りを持たせて振動を抑える考え方で、揺れが小さくなることにより、建物の損傷を少なくします。
免震構造
建物と基礎との間に免震装置(ゴムなど)を入れることで、地震の揺れを直接伝えない構造です。
制震構造よりも揺れを大幅にカットできるとされていますが、台風や津波、垂直方向の揺れにはそれほど強くはありません。
3つの中では建築コストが最も高く、装置の定期的なメンテナンス費用も必要です。
丸清では、「耐震(耐震等級3)」と「制震」の両方を兼ね備えた構造で、木造住宅を建築しています。
丸清の、地震に強い木の家づくり
- 丸清こだわりの耐震構造として「許容応力度計算」という、家ごとに個別に行う詳細な構造計算に基づいた、骨組みや壁の配置計画があります。これによって、より安心で安全な住まいが出来上がります。
- 制震構造としては、建物の傾きを軽減し、建物の損傷を少なくする制振ダンパー「ダイナコンティ」を採用しています。100万回の連続振動テストを突破したダイナコンティなら、地震が続いても建物をしっかりと守ってくれます。
丸清標準仕様:制振ダンパー「ダイナコンティ」
地震に強く住みやすい木造住宅とは?
最後に、工法にも少し触れておきましょう。
木造住宅の工法には、「木造軸組工法(在来工法)」と「木造壁式工法(ツーバイフォー)」の2種類があります。
木造軸組工法とは、柱と梁で補強しながら骨組みを築く建築手法です。柱に梁を渡し、屋根を先行して建築するといった、古くから伝わる日本の気候風土に合わせた伝統的な工法です。
木造壁式工法(ツーバイフォー)は、2インチ×4インチの木材でつくったパネルで組み立てていく建築手法で、北米から伝わった工法です。
耐震性も面で比較した時に、以前は面で住宅を支える木造壁式工法のほうが、線で支える木造軸組工法よりも高い強度があると言われていました。
ですが、建築技術の進化によって木造軸組工法の耐震性が高くなり、最高レベルの耐震等級3に対応する住宅も施工できるようになりました。
では、耐震等級が高く、繰り返す揺れにも対応した木造住宅なら、それだけで家づくりは完璧でしょうか?
間取りや採光、風通し、断熱、調湿などの性能、素材の持つ質感、デザイン性も、日々の快適な暮らしには欠かせないものですよね。
例えば、地震には強いけど窓が小さいとか、暗くてストレスを感じる家になってしまったら、決して家づくりは成功とは言えません。
つまり、地震に強く住みやすい木造住宅とは、あらゆる角度から考えて、バランスの良い住宅という事になります。
丸清は木造軸組工法を採用し、耐震等級3に対応した上で、快適性や耐久性、メンテナンス性、間取りにこだわりながら、お客さまの夢を叶える木の家づくりをご提案しています。安心してご相談ください。
木の家の耐震性、ご理解いただけましたか?
震度4以上の少し強い揺れを感じたり、頻繁に地震が起こったりすると、大きな地震を連想してしまいますよね。
どんなに化学技術が進化しても、いつ、どこに、どのくらいの規模の地震が発生するかを正確に予測することは難しいとされています。
だからこそ、家づくりにはしっかりとした「備え」が必要です。
同じ木造でも、住宅メーカーによって地震に対する建築上の対策や考え方は様々なので、ご自身が納得いくまで話を聞くことが大切だと思います。
まとめ
■ 木材は、鉄やコンクリートと比較して高い強度を持っている。
■ 耐震等級は、地震の時に人が逃げるために建物が倒壊しない基準で、1~3までのレベルがある。
■ 繰り返す地震にも強い家には、耐震だけでなく、制震や免震など揺れに働きかける構造が有効。
■ 暮らしやすい家づくりには、耐震性能だけではなく、快適性のバランスが必要。
耐震に関する話題は、こちらのページでもご紹介しています(クリックで開きます)ので、ぜひご覧ください。
丸清が使っている木材や壁材、工法についてお知りになりたい方は
「素材と工法ページ」をご覧ください。
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