2015.11.26   2019.01.25

YKK黒部工場見学 「善の循環」を生み出す現場

YKKさんの工場見学にお邪魔しました。

「メーカーに徹する」という姿勢が至るところにあられている、サッシの製造工程を見学させていただきました。
工場内は撮影禁止でしたので写真はありません!

■ 鋳造工程
アルミの地金や、アルミホイールなどのリターン材と呼ばれる原料が、660℃という融点で溶ける様子を見ることが出来ました。
より丈夫にするためにシリコンとマグネシウムを混ぜたり、 水素や酸化物などの不純物を取り除く工程を経て、「ビレット」と呼ばれる押し出し整形の材料を作ります。
ビレットはさらに、重さや超音波によるチェック後に次の押出工程に進みます。

■押出工程
製造するパーツのサイズに合わせて切断されたビレットは500℃程度に温められ、ところてん式に金型から押出されます。
写真でお見せできないのが残念ですが、70メートルのテーブル に、50〜60メートルの型材が押し出されていました。
時間の関係で「表面処理 」の工程は割愛となりましたが、ここまでが「素材工程 」です。

■部品の製造工程
同じ黒部地区の「越湖製造所」に移動し、部品の製造工程を見学しました。
汎用部品と機能部品 (機構部品と操作部品)が製造されており、 2色の樹脂を使用した部品や強度の違う材料をサンドイッチで整形するなど、高度な加工をしています。
この工場はロボットによるオートメーション化が進んでいるだけでなく、ロボット同士の連携や配置の工夫など、かなり細かな工程を様々なアイデアで「カイゼン」に取り組んでいる様子がよくわかりました。
部品からの一貫製造体制にこだわる(なんと製造機械の一部は工機部門による自社製造!)、ものづくりに対する真摯な姿勢が感じられます。

■価値検証センター
人の動きを再現できるロボット や音の可視化、風の可視化 による「装置による実環境検証 」と、
一般ユーザーであるモニターの方々による「人間による生活環境検証」 によってより高い基準をクリアする取り組みについて教えていただきました。

■「善の循環」
そして印象的だったのは創業者の吉田忠雄さんの「善の循環」という言葉。
「他人の利益を図らずして自らの繁栄はない」という経営哲学だそうです。
すばらしいですね。

「パッシブタウン黒部モデル 」という、エネルギー消費に依存しない、自然ポテンシャルを最大限に活かした、すまいづくり、まちづくりにも取り組んでおられるYKKapさん、大変勉強になりました。ありがとうございました!